RIKEN BRAIN SCIENCE INSTITUTE (理研BSI)

細胞内巨大プロテインクリスタルの運命
-自食機構によって隔離されるタンパク質結晶-


生きた細胞の中にキラキラ光る結晶が瞬時にできる。こんなことが実はあるんです。

キクメイシサンゴ


サンゴには美しい蛍光を放つものがたくさんあります。BSI宮脇敦史チームリーダーらは、このような蛍光を放つタンパク質を改良し、細胞の中のさまざまな現象を視覚的に観察できるツール作りをめざしています。共同研究チームは10年前に、沖縄の海で採集したキクメイシサンゴから緑色の蛍光タンパク質KiKG(キックジー)を取り出し、その遺伝情報を人工的に変化させて、紫外線を当てると緑色から赤色に変わる蛍光タンパク質KiKGR(キックジーアール)を作り出しました。このKiKGRを元にさらに新しい性質の蛍光タンパク質を作り出す過程で、偶然、細胞の中で結晶がつくられることに気がつき、この結晶をXpa(クリスパ: Xは結晶(クリスタル)(クリスタル)、paは光による色変換(パッと変わる)(パッと変わる)を意味する)と名づけました。

さらに調べてみるとXpaはリソソームと呼ばれる膜に覆われていました。実はリソソームという膜は、細胞中の不要なタンパク質を分解する機能(オートファジー:自食作用)に関わっています。つまり、細胞の中にできた大きなXpaの結晶は細胞にとって不要なものと認識されていることが分かったのです。